食べてもええもん
食べたらあかんもん
アレルギー性疾患の原因を検索する検査にlg E抗体検査があります。lg E抗体検査には、第2回でふれた特異的lg E検査(lg E ラスト法)と今回説明する非特異的または総lg E検査(lg E リスト法)の2種類があります。
lg E ラスト法が個々の抗原に対する感作の状態を示すのに対して、リスト法とは血液中(血清中)のlg Eの総量を測定する検査法のことをいいます。
乳児期早期の「lg E抗体」の持つ意味の説明に、私は「アレルギーの火種」と「いこった炭」を例えに使っています。両親のどちらかにアレルギー体質があると、その赤ちゃんは遺伝的にアレルギー体質があるといわれています。ママのお腹にいるときから「lg Eを作りやすい体質」だといい換えられます。
つまり「アレルギーの火種」を持っているのです。
そこへお母さんが「いい赤ちゃんを生むためには、良質のタンパク質である卵や牛乳を毎日食べましょう!」といった偏った食生活を続けていると、「アレルギーの火種」はフーフーと吹き起こされ「いこった炭」になっていきます。
生まれるときには、すでに「いこった炭」をかかえて出てくるのです。母乳栄養で離乳食を与える前なのに、リスト・ラストがともに高値を示す場合がときどきみられます。 リスト値はアレルギー体質の強さの目安になります。つまり、リスト値が高いほどアレルギー反応を起こしやすいのです。
そして「いこった炭」はフーフー吹いて酸素を送ると、いよいよ炎を上げて燃えだします。
今度は、いいオッパイを出すためにと牛乳をたっぷり飲み、油と香辛料のかたまりのマヨネーズをかけたタマゴチーズサラダを食べ、油と砂糖と添加物にまみれたスナック菓子をおやつに食べながら母乳を与えたり、生後3~4ヶ月の早期に安易なレトルトの離乳食を与えたりして刺激し続けると、「火に油を注ぐ」・・・・・・。
つまりアレルギー性疾患の発症となるわけです。
ご自身がアレルギー体質の場合や、第1子がそうならば、やはり「番付表」を参考にして「ええもん」を食べていくようにしましょう。